けやきトータルクリニックの≪健康相談室≫便潜血検査と大腸カメラで早期発見についてについての記事です

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    ≪健康相談室≫便潜血検査と大腸カメラで早期発見について

    2024/2/17

    早期発見で治るとされる大腸癌。なのになぜ日本の女性の死亡数は多いのですか?

    40歳を過ぎたら便潜血検査、大腸カメラをうけましょう

     早期発見しても予後が悪い癌もあるなか、早期発見で治る癌の代表格が大腸癌です。
     ところが国内の女性に限ると、年間約10万人に胃腸の癌が見つかり、約4万人が命を落としていますが、そのうち約2万5000人が大腸癌なのです。つまり、女性が亡くなる癌で最も多いのが大腸癌です。
     大腸癌は、進行度によって0~4まで5つのステージに分類され、5年生存率は、ステージ0だとほぼ100%です。ステージ1で97.6%、2でも90.0%で、ほかの癌と比べると生存率が高く、長生きしやすい癌といわれます。ただ、ステージ3になると5年生存率は84.2%になり、4では一気に20.2%に低下しています。
     日本人女性に大腸癌死亡数が多いのは、早い段階で見つかる人が少ないからだと考えられています。その要因は、女性における検診の受診率の低さです。
     40歳になると便潜血検査が大腸癌検査として公的に安価で受けられます。便を容器に入れて提出し、血液が混じっていないかを調べますが、毎年この検査を受けると、大腸癌リスクを約60%下げるといわれています。
     しかし、心理的に抵抗感がある、便秘で便が出ない、など様々な理由で便潜血検査を受けていない女性が多く、また検査で陽性になっても精密検査である大腸カメラを受ける率が低いことも分かっています。 
     便潜血検査を年1回受けることを前提に、40歳を過ぎたら一度は大腸カメラを受けておくべきです。私も昨年大腸カメラを受けましたがとても楽でした。安心して検査を受けてください。

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