けやきトータルクリニックの≪健康相談室≫飲酒と癌リスクについてについての記事です

けやきブログ

日々の診療情報から健康に関する豊富な情報まで

  • ≪健康相談室≫飲酒と癌リスクについて

    ≪健康相談室≫飲酒と癌リスクについて

    2024/3/18

    アルコールをたくさん飲む人は癌のリスクが高くなると聞きましたが、本当ですか?

    癌だけでなく高血圧や脳梗塞のリスクも高くなります

    厚労省はこの2月、飲酒に関する国内初の指針「健康に配慮した飲酒に関するガイドライン」を公表しました。
     これは、飲酒に伴うリスクをより多くの人に知ってもらうことで、アルコール摂取への関心と理解を深め、アルコールによる健康被害の発生を防ぐことを目的としたガイドラインです。
     これによると、大まかな酒量より純アルコール量に着目することが重要であるとされ、その計算式「純アルコール量(g)=接種量(ml)×アルコール濃度(度数/100)×0.8(アルコールの比重)」が示されています。
     例えば、純アルコール量20gは、ビールなら中瓶1本、日本酒なら1合、ウイスキーならダブル1杯に相当します。
     そして、男性の場合は一滴でも飲酒すると胃癌や食道癌のリスクが高くなり、高血圧の危険も高まります。また純アルコール摂取で、大腸癌は1日当たり約20g以上、女性の乳癌は14g以上、男性の前立腺癌は20g以上、肝癌は男性60g以上、女性は20g以上、脳梗塞は男性40g以上、女性11g以上で、発症リスクが高くなります。
     さらに高齢者は、若いときより酔いやすくなり、酒量過多によって認知症や転倒の危険が高まることも自覚しておく必要があります。
     政府の健康づくり計画「健康日本21」は、生活習慣病リスクが高まる純アルコール量「1日当たり男性40g以上、女性20g以上」飲む人を減らすことを目標にしています。ガイドラインを参考に適切な飲酒量を知り、飲み過ぎに気をつけましょう。

3

閉じる