けやきトータルクリニックの≪健康相談室≫機能性表示食品、特保、医薬品の違いについてについての記事です

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    ≪健康相談室≫機能性表示食品、特保、医薬品の違いについて

    2024/4/19

    紅麴のサプリで死者が出ています。サプリは健康に役立つと思っていたのですが…?

    機能性表示食品、特保、医薬品の違いを把握しておきましょう

     問題となっている小林製薬の紅麹コレステヘルプは、機能性表示食品に含まれます。機能性表示食品とは、科学的な根拠に基づいて健康を維持する効果が表示されている食品のことで、それぞれの製造元で効果があることを確認していますが、国による審査は行われていません。
     一方、特保(特定保健用食品の略)は、体の機能に影響を与える成分を含む食品で、こちらは国による審査があります。消費者庁長官の許可を得た上で、特定の保健の目的が期待できることを表示してもよいとされています。ただし、特保も医薬品ではなく、病気の治療を目的としたものではありません。
     特保は、国の許可を得るために準備しなければいけないエビデンス(科学的根拠)が多く、申請に手間がかかりますが、機能性表示食品は容易に登録することができるわけです。
     病院で処方される医薬品の場合は、品質低下を防ぐために厳しい製造・品質管理基準(GMP)が薬事法で定められ、これを遵守することが法律で厳しく規定されていますが、機能性表示食品は、製造工程の品質管理も医薬品と比べると遙かに甘くなっています。今回問題となった工場も、GMP認証は受けていません。
     サプリメントは食品扱いとなっているため、規制する法的根拠が薄いとか、新規のカテゴリーを位置づけて安全性を取り締まる新たな法整備を急ぐべきだといった指摘もあります。成分を濃縮させて作るサプリメントは過剰摂取の危険性もあるので、取り締まる法整備が必要だと思います。

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