けやきトータルクリニックの≪健康相談室≫高齢者も必要な運動と運動量についてについての記事です

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    ≪健康相談室≫高齢者も必要な運動と運動量について

    2023/12/16

    高齢者も運動は必要とか。どれくらい運動すればよいでしょうか?

    1日40分以上の運動+こまめに体を動かす努力を

     厚労省の検討会が昨年末、健康作りのために推奨される身体活動・運動のガイド案を、10年ぶりに改訂しました。
     それによると、高齢者に対しては、歩行またはそれと同等以上の強度の身体活動を1日40分以上行い、こまめに体を動かすことを推奨しています。
     こうした運動を行っている高齢者は、身体活動をほとんど行わない人と比べて、総死亡および心血管疾患死亡のリスクが約30%ほど低下することが示されています。
     また、下肢および体幹部の筋力トレーニングを1週間に2~3日程度、最大筋力の60%以上の負荷をかけて行う、つまり10㎏を持ち上げれる人なら、6㎏以上の重りでトレーニングをすることが推奨されています。時間は1回あたり10分以上、1日に合計30分程度が目安です。
     「こんなの複雑で面倒だ」と思われた方でも、まずは座っている時間を短くすることを心がけましょう。30分座っていたら、1分間軽い歩行をするだけで、血圧や血糖値が低下します。座っている時間を意識し、たびたび中断することで、食後血糖値やインスリン抵抗性、中性脂肪といった心血管代謝疾患のリスクが低下することが分かっています。
    逆に、座っている時間が長くなればなるほど、それに比例して死亡リスクが増加することも報告されています。
     さらに運動は、骨折の予防にもつながります。これまで私は、転倒して大腿骨を骨折した方を大勢診察し、数多くの手術をしてきました。運動を継続して下肢の筋力をつけることで、転倒による骨折のリスクも低下します。

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