≪健康相談室≫コーヒーのカフェインについて-けやきトータルクリニック
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≪健康相談室≫コーヒーのカフェインについて
2023/6/16
コーヒーが好きで1日に何杯も飲んでいます。カフェインの過剰摂取は健康によくないでしょうか?
大人は1日3~5杯までなら安心して飲んでOKです。
化学物質の多くは、血液脳関門という脳のバリアによって脳内に入ることが出来ませんが、カフェインはこの関門を通過して脳に到達します。
その結果、ドーパミンやノルアドレナリンといった物質の放出を促し、脳を興奮・覚醒させ、解熱鎮痛作用、強心作用、利尿作用を示します。一方、カフェインを大量に摂取すると、不眠症や神経症、心拍数の増加、高血圧、不整脈が引き起こされる恐れもあります。
カフェインは、コーヒーを飲んでから約20分~30分で吸収されて全身を巡り、半減期は約4時間です。
米国食事ガイドライン作成委員会、米国保健福祉省及び農務省では、健康な成人は1日でカフェイン400㎎までなら心血管疾患や癌などのリスクが上昇しないと報告しています。
欧州食品安全機関でも、体に悪影響がないとみられる1日当たりのカフェインの最大摂取量は、成人で同じく1日400㎎としています。コーヒー1杯(150ml.)当たりのカフェイン量は約80㎎ですから、1日の最大摂取量は5杯程度ということになります。
では、1度に飲む量としてはどの程度なら大丈夫なのでしょうか?体重1㎏あたり3㎎であれば、緊急毒性の懸念はないとされています。つまり、体重70㎏の人であれば210㎎、1度に2.5杯程度なら大丈夫ということです。
妊婦を除く健康な成人の場合、コーヒーを1日3~5杯飲む習慣は体に悪影響を及ぼさないということが科学的に分かってきています。
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