≪健康相談室≫新型コロナワクチン副反応について
新型コロナワクチンを受けようと思いますが、副反応が心配です…。
利益がリスクを上回ると考えられます。
今回のmRNAワクチンの研究は約30年前から行われており、にわか作りの付け焼き刃的な粗雑なワクチンではありません。ただし、臨床で使用されるのは今回が初めてです。
頻度が高い副反応は、接種部の発赤・腫脹・硬結で、冷却などにより数日で消失するものがほとんどです。
次に多いのが発熱、疲労感、頭痛、悪寒、筋肉痛等で、数十%以上に発現する可能性があります。通常48時間以内に自然軽快しますが、アセトアミノフェンの内服を行うこともあります。
重大な副反応は、アナフィラキシーで、じんましん、唇・手足の痺れ、まぶたの腫れ、息苦しさ、血圧低下、意識レベル低下等が出現します。93%は30分以内に出現し、重度の場合はアドレナリン・抗ヒスタミン薬・ステロイド等の投与を行います。治療法は確立されていますので、あまり心配はありません。頻度でいうと、松戸市全人口に対して3~6件ほどです。
イスラエルでは、すでに人口930万人の半分近くの440万人が、ワクチン接種2回目を完了し、60歳以上では90%以上の人が1回以上の接種を受けています。同国の研究所が120万人のデータを分析した結果、ワクチンを2回接種したグループは、未接種のグループに比べて発症率が94%少なく、重症化率も少ないと発表しました。
これは、ファイザーが臨床試験で発表した発症予防効果95%減とほぼ一致しています。つまり、副反応が生じる危険より、接種による利益の方が遥かに上回ると考えられますので、過度の心配は不要だと思います。
日時:2021年05月14日 11:45