≪健康相談室≫新型コロナワクチン予防接種後の感染対策について
新型コロナのワクチンを接種すれば、感染対策の必要はなくなりますか?
ワクチンは感染を防ぐものではありません。
ワクチンの主な効果は──
①「発症予防の効果」…
症状が出るのを抑える
②「重症化予防の効果」…
発症しても重症化しないようにする
③「集団免疫の効果」…
多くの人がウイルス抗体を持つことで社会全体が守られる
この3点です。
「感染予防の効果」については、感染しても無症状の人が多くいることや、ウイルスが人の細胞に入り込んでいるか否かを詳しく調べる必要があることなどから、実証は難しいのですが、その効果は低いと考えられています。
つまり、ワクチンを接種したから絶対に感染しないというわけではなく、かかっても症状が出にくく、重症化しないというのがワクチンの利点なのです。
ファイザー社製のワクチンは、臨床試験で発症を予防する効果が95%程度と高いことが確認されていますが、それでも発症の可能性がゼロになるわけではありません。
また、ワクチンで発症を抑えられたとしても、ウイルスに感染する可能性はあるわけで、対策を怠ると、感染したことに気づかないまま周囲に広げてしまうこともあり得ます。
ワクチンは各国で接種が始まってから長くは経っておらず、その効果が長期に渡って続くか否かもまだ不明で、今後の更なるデータの検証が必要です。
ワクチンの接種者が増え、その効果が実社会できちんと確認されるまで、接種後もマスクの着用や手洗い、消毒、3密を避けるなどの対策をしっかり続ける必要があります。
日時:2021年05月14日 11:45