≪健康相談室≫鳥インフルエンザについて
過去最高値に。人間が鳥インフルエンザに感染することはないのでしょうか?
致死率は高いものの日本では確認されていません。
鳥インフルエンザが猛威を振るい、処分されたニワトリの数が増え続けています。日本へは渡り鳥によってウイルスが持ち込まれるとされ、毎年秋から春ごろにかけて発生します。
検出されたウイルスは高病原性で、感染した鳥は10日以内に75%以上が死ぬという高い致死率です。もともとはカモなどにいたウイルスで、糞などを通じてほかの鳥に感染し、咳など呼吸器の症状を引き起こします。
人への感染が初めて確認されたのは1997年。香港の養鶏場で鳥インフルエンザが流行した際、18人が症状を訴え、そのうち6人が死亡しました。2003年から2023年2月までに21か国で873人が感染し、その52%の458人が死亡しています。
ウイルスを持つ鳥や糞、死体などに直接触れることによって感染しますが、幸い人への感染は稀で、日本ではこれまで発症した人は確認されていません。
北海道大学の迫田教授によると「人間の肺の奥には鳥型ウイルスと結合する部分があるため、たくさんのウイスルを浴びて思いっきり吸い込み、肺の奥にウイルスが入り込むと、鳥から人への感染が起きます。
ただ、養鶏場の人や動物園の飼育員などは十分注意する必要がありますが、通常は鳥から人への感染は起きないと思います」とのことです。
新型コロナウイルスのように人から人へ感染しやすい変異はしておらず、人から人への感染ケースは、長時間、濃厚な接触があった家族間などに限られています。とはいえ、鳥同士の感染が増えれば、人に感染する可能性も高まるため、世界的に警戒が続いています。
日時:2023年03月22日 09:01