≪健康相談室≫新型コロナの感染症法について
新型コロナを感染症法の2類から5類に引き下げたらどうか?という話をテレビで聞きました。違いを教えてください。
制約は緩和されますが、治療費は自己負担に
感染症法では、危険度に応じて1~5類に分類されています。1類が最も危険度が高く、数字が大きくなるほど危険度は低くなります。
1類にはエボラ出血熱などがありますが、新型コロナは当初、特性が分からなかったので政令で2類扱いとされました。しかし、昨年2月の法改正で1~5類とは別の新型インフルエンザ等感染症に指定されました。
サーズや鳥インフルエンザ並みに危険度が高い「2類相当」なので、感染した場合は入院勧告され、濃厚接触者を特定するなど保健所の協力が求められ、就業制限等も受けます。
感染者数が増加すれば緊急事態宣言やまん延防止等重点措置が適用され、外出自粛要請や飲食店の営業時間短縮等、制約のある生活を強いられます。
また、入院調整や濃厚接触者調査、健康観察を担う保健所の機能は破綻寸前となり、ひっ迫した病院では通常診療が制約され、企業や教育現場は濃厚接触者を含めた対応に追われました。
現在主流のオミクロン株は、感染力は強いものの重症化率は低く、死亡率が0.3%を切っているため、社会インフラや経済活動を止めないためにもインフルエンザと同じ5類に引き下げるべきだとの意見も出ています。
その一方、現在は治療が全額公費ですが、5類に引き下げると治療費の一部が自己負担となり、重症化して長期入院すると高額の医療費を支払うことになりかねません。岸田首相は「今はまだ感染拡大の心配が世の中にあり、このタイミングで分類を変更することは現実的でない」と話しています。
日時:2022年07月20日 15:35