日本抗加齢医学会専門医認定
この度宮川は、けやきトータルクリニックの皆様方のご協力をいただき、おかげさまで第16回日本抗加齢医学会専門医試験に合格いたしました。
あまり聞きなれない医学会かと存じます。「アンチエイジング」と申したほうがわかりやすいかもしれません。私たちは誰でも老いていきますが、「いつまでも若く元気にありたい。」、「病気に苦しみたくない。」と思われる方は多いかと存じます。その目標のためにどうしたらよいのかを研究し実践する医学会です。要は、「ぴんぴんころり」を目指すことが目標です。私は専門医試験に合格したばかりでこの分野ではまだまだひよっこです。アンチエイジングドックや美容外科をされる医師も多いようですが、私はまず、アンチエイジングの基本となる食事・運動などを日常診療の中で皆様とともに考え実践していくことから始めようと思っています。
Let’s ぴんぴんころり!!
がんばります。
2020.11.19. けやきトータルクリニック 内科 宮川秀文
感染症対策
師走の入り、慌ただしい今日この頃ですが、皆様いかがお過ごしでしょうか?
2020年はcovid-19(新型コロナウイルス)に翻弄された1年でした。
12/11現在での全世界の新型コロナウイルスによる世界の感染状況は、感染者数68,165,877名、死亡者数1,557,385名。
国内の感染者数は175,100名、死亡者数2,533名。このような未曽有の状況を1年前に誰が想像したでしょうか?
この場をお借りしてお亡くなりになられた方々のご冥福と、現在治療中の方々の一日も早い回復をお祈り申し上げます。
未だ感染者数を抑えられない状況の中で、最先端の情報をもつ感染症の専門医がどんな予防をしているのか?covid-19(新型コロナウイルス)対策を改めてご紹介いたします。
①重要なのは手の衛生、つまり手洗いと消毒。加えて飛沫感染を防ぐマスクの三本柱です。
②手洗いは30秒かけてしっかり流水で洗い落とす。
③手の甲、親指、指先、この4点を意識的に洗い、後は手首までもみ手。
④家の外で手を洗う場合、ぺ-パ-タオルで拭いた後、ぺ-パ-タオルを使い蛇口を閉める。
⑤消毒液はワンプッシュ押し切る。
⑥アルコールは乾くまで両手にしっかりもみこむ。
⑦市販のマスクでは不織布が飛沫防止に適している。
⑧マウスシールドも飛沫の拡散防止にはなるが、自身への感染を防ぐ効力は低い。
⑨マスクの上部の針金を鼻に沿うようにしっかりと折り曲げて密着させる。
⑩電車では入口近くよりも奥に入って立つ。入口付近の方が多くの人と近距離で接する機会が増え、感染リスクが高まる。
⑪電車の車両で最も感染リスクが低いのは最後尾の車両。
⑫タクシーでは窓開け換気より空調の外気導入モ-ドでエアコンを使い空気を循環させるほうが効果的。
⑬つり革や手すりを触った時はその手で顔などを触れない。
⑭何かを食べる前や帰宅した時は必ず手洗い。
⑮エレべータ—のボタンは肘など手以外を使って押す。
⑯食事場所でトングを使ったら顔を触らないようにする。
⑰店を出るときも忘れずにアルコール消毒をする。
⑱銭湯やジムなどの更衣室では会話をしない。
⑲髪の毛は無意識のうちに手で触ってしまう人も多く、ウイルスが付着している可能性が高い。帰宅後はすぐにシャワーを浴びる。
⑳段ボールは置き配達で2日放置し、ウイルスをシャットアウトする。
以上、ご参考になれば幸いです。
来年が皆様にとって平和で笑顔あふれる1年となりますように。
≪健康相談室≫コロナワクチンの低温保存について
米国で開発されたコロナワクチンの保存温度はマイナス70度とか。なぜ、そこまで低温にする必要があるのでしょうか?
メッセンジャーRNAという成分が傷みやすいからです。
米ファイザー社は、昨年11月に新型コロナワクチンの臨床第3相試験で、90%を超える予防効果が確認されたと発表しました。そしてその2週間後、英アストラゼネガ社も、ワクチンが平均70%、最高90%の効果を示したと発表しました。
アストラゼネガのワクチンは、一般的な冷蔵庫の温度(2度~8度)で保管できる点が最大の特長です。一方、ファイザーのワクチンは、マイナス70度以下での管理が必要で、その温度下だと半年間の保存が可能ですが、2度~8度では5日間しか保存できません。
保存温度がこんなに違うのは、それぞれのワクチンの成分が違うからです。アストラゼネガのワクチンは、ベクター(運び手)ワクチンですが、ファイザーのワクチンにはメッセンジャーRNAという傷みやすい成分が入っています。そのため輸送や保管の際は低温管理が必要で、温度管理がしっかりされないと効果が失われる恐れがあります。
しかし米国の大都市の病院でも超低温冷蔵設備が不足しており、最も権威のある病院の1つ、メイヨー・クリニックでも今のところマイナス70度以下で保管できる設備はないそうです。こうした厳しい温度条件は、地方の医療機関や貧困国への供給を妨げる可能性があります。
一方、米モデルナ社のワクチンはメッセンジャーRNAをベースにしていますが、摂氏2.2度~7.7度までの間なら1カ月間安定した状態を保つことができ、さらにマイナス20度なら最大6カ月保管することができるそうです。これなら一般の病院でも保管可能となります。