≪健康相談室≫舌下免疫療法について
またつらい花粉症のシーズンが近づいてきました。毎年薬を飲むのが面倒です。 ほかに何かよい治療法はありませんか?
舌下免疫療法というアレルゲン免疫療法があります
花粉症の薬は、一般的に遅効性のものが多く、のみ始めてから効果が出るまで2〜4週間かかるものもあります。
関東の花粉の飛散時期は2月中旬ごろからなので、症状の重い人は1月中旬には治療を開始した方がよいと思います。以前の薬は眠くなる傾向がありましたが、現在は眠くなりにくい抗ヒスタミン薬が主流になっています。
このほかに舌下免疫療法というアレルゲン免疫療法があります。減感作療法とも呼ばれ、アレルギーの原因であるアレルゲンを少量から投与して体をアレルゲンに慣らし、アレルギー症状を和らげて根本的な体質改善を行います。
具体的には、毎日スギ花粉液を口に含むことで、少しずつ過剰反応を抑えていくという治療法で、初回は医療機関で医師の監督のもとに行い、2日目からは自宅で服用して徐々に内服量を増やしていきます。
治療期間は約3〜5年ほど掛かり、根気よく治療することが大切ですが、完治または症状の改善が約8割と非常に効果の高い治療法です。たとえ完治に至らなくても、抗アレルギー薬の内服量を減らすことが期待できます。
ただ、スギ花粉飛散シーズンに投薬を開始することはできないため、治療開始は6月〜 12月中旬までに限られます。また、どの医師でも処方できるわけではなく、舌下免疫療法に関する充分な知識と経験を持ち、所定の受講を修了した医師だけが処方可能となります。詳しくは、お近くの医療機関にご確認ください。
日時:2020年01月16日 15:08