≪健康相談室≫はしかについて
最近、はしか感染のニュースを目にします。予防接種を受けていてもかかるのですか?
はしか(麻疹)に対する免疫力が低い世代があります
昨年からはしか(以下:麻疹)が流行していますが、今年も感染が止まりません。世界保健機関は、国内に由来する麻疹ウイルスによる感染が3年間確認されず、遺伝子解析で感染経路を確認している国を麻疹排除国として認定しており、日本も認定されています。
厚労省によると年間200〜500人程度の患者が報告されていますが、いずれも海外から持ち込まれたウイルスが原因とされています。千葉県では今年2月以降、19例の麻疹が発生しており、うち9例に直前の海外渡航歴がありました。
麻疹はインフルエンザの10倍の感染力を持ち、免疫を持たない人が接触すると、ほぼ100%感染します。手洗いやマスクでの予防は困難で、もっとも効果的な予防法はワクチンを2回接種することです。
2000年4月2日以降に生まれた人は、ワクチン接種を2回受けているので十分な免疫を持っています。一方、1972年9月30日以前に生まれた人は、ワクチンが義務化されていない時代で1回も接種していない可能性が高いのですが、逆にこの年代は幼児期に自然感染で麻疹にかかる機会が非常に多く、生涯免疫を獲得している可能性が高いようです。
ところが、1972年10月1日〜2000年4月1日に生まれた人は、定期接種で1回しか接種していない場合があり、免疫を十分持っていない可能性があります。採血により十分な抗体価が無いと分かったときは、ワクチン接種で免疫を増強した方が安心です。とくに海外旅行に行く人は注意が必要です。
日時:2019年05月16日 11:25