《健康相談室》白血病ってどんな病気?
池江璃花子選手が白血病であることを公表
しました。白血病とはどんな病気ですか?
有効な治療法の開発が進んでいます
白血病は、まだ原因が完全に解明されたわけではありませんが、骨髄にある白血球を作る細胞の遺伝子が、いくつかの段階的な異常を経て傷つき、正常な細胞を破壊しながら無制限に増殖し始める病気です。その結果、異常な白血球が増え続け、免疫力が低下して感染症を起こします。
骨髄で白血病細胞(癌細胞)が増殖することで正常な赤血球や血小板等の生産が滞るようになり、貧血や出血が止まらない状態になります。重症肺炎や敗血症脳出血などを併発すると亡くなることもありえます。
治療法としては、寛解導入療法といってまず複数の抗癌剤を使い、数週間で白血病細胞を完全に死滅させる方法があります。うまくいけば、見た目には白血病細胞が1つもない状態になります。その後、正常な細胞が回復してきたころ、わずかに生き残った癌細胞が雑草の芽のごとく出現してきます。これが再発です。そこで、さらに抗癌剤を使って地固め療法を行い、雑草の根まで根絶できれば完治となりますが、全ての症例でうまくいくわけではありません。
切り札として、造血幹細胞移植、いわゆる骨髄移植があります。抗癌剤で白血病細胞を完全に撲滅し、そこに正常な造血幹細胞を移植する治療で、ドナーの骨盤から造血幹細胞の入った骨髄液を採取し、患者に点滴で投与します。ドナーの骨髄液が骨髄に届いて定着すると、そこで造血幹細胞が正常な血液を作り出すようになります。
また、出産後不要になった胎盤と臍帯の中に含まれる血液には造血幹細胞がたくさん含まれており、現在これを利用する臍帯血移植の研究も進んでいます。
日時:2019年03月22日 11:34