《健康相談室》アルコールの適量と休肝日について
毎日の晩酌を楽しみにしています。家族には休肝日をつくるようにと強く言われますが、アルコールの適量ってどれくらいなのでしょう?
飲酒には認知症や癌の危険性を高める可能性が…
厚生労働省は、適度な飲酒は1日平均アルコール20g程度としています。お酒でいえば「ビール中ビン1本」「日本酒1合」「チューハイ(7%)350㎖缶1本」「ウィスキーダブル1杯」程度に相当します。
これは、日本人や欧米人を対象にした大規模な疫学研究から、アルコール消費量と総死亡率の関係を検討して割り出されたもので、女性や高齢者はさらに少なくすべきだとしています。
また、週に2日は必ず休肝日を取り、肝臓を休めることが重要だとしています。多量の飲酒を継続すると、前頭葉を中心とした全脳に萎縮が起こり、脳に悪影響を及ぼすことは広く知られています。
しかし、昨年の英国オックスフォード大学の研究発表は、適量の飲酒量でも長期に及ぶと、記憶を司る脳の海馬が萎縮する危険が通常の3・4倍に高まり、脳に有害な影響を及ぼすというものでした。それによって、認知症の発症が早まる可能性があるわけです。
さらに、飲酒が癌の危険を高めるという指摘は以前からされています。アルコールを分解する過程で生成されるアセトアルデヒドが、DNAの二重鎖を切断し、その配列を元に戻らない状態にまで壊して特定の癌につながる可能性があると、英国ケンブリッジ大学が科学誌「ネイチャー」に発表しています。
アセトアルデヒドを分解する酵素が十分でない人の場合、その損傷は4倍になるということですが、この酵素に問題のある人はとくに東南アジア人に多いとされています。
晩酌は適量を守り、休肝日をとりましょう。
日時:2018年09月18日 09:48