《健康相談室》誤嚥性肺炎について
誤嚥性肺炎にならないために…
私事で恐縮ですが、
今年6月に実父が90歳で他界しました
父の死因は誤嚥性肺炎でした。物を飲み込む働きを嚥下機能、物が誤って気管に入ってしまうことを誤嚥といいます。誤嚥性肺炎は、嚥下障害のため唾液や食べもの、あるいは胃液などと一緒に、細菌を誤って気道に吸引することで発症し、高齢者や脳梗塞後遺症、パーキンソン病、寝たきりの人に多くみられます。
誤嚥反射や咳反射などを司っている大脳基底核に脳梗塞などの病変や障害があると、誤嚥を避けられず、誤嚥した物を吐き出すこともできなくなります。
嚥下機能は使わないと退化します。簡単にできる鍛え方としては ①唾を飲んで、のど仏のある喉頭を意識的にしっかり動かす ②仰向けで両手をお腹に当て、動きを確認しながら腹式呼吸で息を吸い、腹部を押しながら自発的に「えへん」としっかり咳をする ③ゆっくり、はっきりと「パ・ピ・プ・ペ・ポ」を繰り返す発音トレーニングを行う ④頬を膨らませたり、へこませたりして大きく動かす--こうした訓練を習慣化して行うと効果的です。
また誤嚥性肺炎は、肺炎球菌や口腔内の嫌気性菌が原因となることが多く、歯垢や歯石、舌苔などで口の中が汚れていると、細菌が増殖して危険が高まります。毎食後、歯を磨き、歯間ブラシやフロスなどで歯垢を取り除いて歯石を予防し、定期的に歯科検診を受けましょう。
入れ歯の場合も、1日1度はブラシでていねいに洗い、3日に1度は専用の洗浄剤の溶液に漬けて汚れを洗い流すことが大切です。
その上で、肺炎球菌ワクチンの接種もお勧めします。
日時:2018年07月21日 11:07