《健康相談室》突然死についての不安
有名人の突然死のニュースを聞いて不安に…。
突然死の原因はどんなことが考えられますか?
突然死の多くは血管の病気が原因です
発症後24時間以内に死亡することを突然死といいます。原因解明が困難な場合も少なくないのですが、最も多いのは心筋梗塞などの心臓病で、6割以上を占めています。
心臓が原因の突然死は、発症から1時間以内で死亡することが多く、日本では年間約7万人いるといわれています。
そのほかの循環器疾患では大動脈解離や大動脈瘤破裂があり、その多くは強い背部痛や胸痛などが起こります。
大動脈解離は、突然、大動脈の壁に亀裂が入り内膜と外膜とに分離され、それが進行していくため、すぐに専門病院での対処が必要です。ただ、発症した患者の61%は、病院到着前に死亡しています。日本人に多い疾患で、循環器の突然死では心筋梗塞に次いで2番目となっています。
大動脈瘤は、大動脈の壁が3層構造のままコブ状に膨らんだもので、破裂前はほとんど無症状ですが、ひとたび破裂すると約半数が病院にたどり着く前に死亡します。運よく病院に到着して手術を受けても、40〜60%の患者が死亡します。
ほかにも広範囲または脳幹部の脳出血や脳梗塞、くも膜下出血、肺塞栓などがあります。
くも膜下出血は、脳のくも膜の内側にできた動脈瘤が破裂して起こる出血で、突然、バットで頭を殴られたような強烈な頭痛が起こります。発症すると50%が死亡します。
また肺塞栓は、別名エコノミークラス症候群ともいわれ、脚の静脈にできた血栓が心臓を経由して肺動脈まで運ばれ、そこが詰まる病気です。
日時:2018年05月21日 14:34