《健康相談室》脳梗塞の早期発見
叔父が、脳梗塞が原因で亡くなりました。早期発見のためのチェックポイントを教えてください。
顔麻痺、腕麻痺、言葉障害…一刻も早く治療を
まず覚えておいていただきたいのは、脳梗塞の効果的な治療は発症から時間があまりたっていない早期にしか行えないということです。治療効果があるか否かには、治療を受けるまでの時間が大きく関係します。
もし発症しても、一刻も早く専門病院で治療を受けることで、良い方向に向かう可能性が高まります。それには、どんな初期症状を伴うのかを知り、「脳梗塞かもしれない」と疑ってみる視点が重要です。
多くの人は、「突然、意識を失って倒れる」と思っているようですが、こうしたひどい症状で発症する人はごく一部。最も多いのは、体の右半身または左半身に力が入らなくなる運動麻痺です。急に半身の手足が動かなくなったときは、発症の疑いが濃くなります。
動かなくなった手足と同じ側の顔にも麻痺が起こると、疑いはさらに高まります。顔の麻痺は、顔の片側が歪み、「イー」と言っても口の片側しか上がらなくなります。
次に多いのは言葉の症状で、ほぼ半数の人に出現します。ろれつが回りにくくなる場合と、言葉が理解できなくなったり、しゃべれなくなったりする場合とがあります。
最近、脳梗塞のこうした初期症状を簡単に覚えておける「FAST」という標語が提唱されています。脳卒中を強く疑うべき3つの症状、顔(Face)の麻痺、腕(Arm)の麻痺、言葉(Speech)の障害の頭文字を組み合わせたもので、最後のTは発生した時刻(Time)のこと。3つの症状を確認したら、発症時刻を頭に置いて、一刻も早く救急車で専門病院を受診しましょう。
日時:2016年08月12日 15:59