《健康相談室》ノロウイルスと感染予防について
冬になるとノロウイルス流行のニュースが流れます。
なぜ冬に多いのですか? 予防方法も教えて下さい。
予防には、マスクとうがいと手洗いが有効です
「ノロ」というのは、発見された米国オハイオ州ノーウォークの地名に由来しています。下痢や嘔吐、腹痛、発熱が主な症状で、高齢者や乳幼児は症状が重症化しやすく、とくに高齢者は脱水や嘔吐物が気管に入り、肺炎となって死亡することもあります。今のところワクチンや特効薬はなく、対症療法が行われ、脱水がひどいときは点滴を行います。
原因となる食べもので多いのが、生カキです。ただ、90℃で90秒以上加熱すれば感染力を失うので、充分に加熱することが重要です。
感染力は非常に強く、嘔吐物や便からウイルスが飛散し、これを吸い込んだり触ったりすることによって感染します。便や嘔吐物には大量のウイルス(1g中に約1億個)が含まれていますが、たとえ100個以下でも感染し、感染者が触ったドアノブから感染することもあります。
便や嘔吐物を処理する時は、ビニール手袋、マスクを用い、消毒は市販の塩素系漂白剤に含まれる次亜塩素酸Naが効果的です。便や吐物が付着した場所は50~100倍、他の衣服のつけ置きやトイレの掃除は、250~500倍に希釈して使います。
冬に流行する理由としては、カキの旬が冬であること、ノロウイルスが冬の低温と乾燥を好むこと、また乾燥でウイルスが空気中に舞いやすくなり感染しやすくなることなどが考えられます。とにかく感染力がとても強いので、流行期はマスクの着用や手洗い、うがいをしっかりすることがとても大切です。今年は新型のノロウイルスも出現しており、さらに警戒が必要となっています。
日時:2015年12月01日 09:34