≪健康相談室≫ファイザー開発のコロナ飲み薬について
ファイザーでもコロナの飲み薬が開発されたとか。その後、どうなっていますか?
発症3日以内の内服で重症化を89%阻止します
先月号では、米メルク社が開発したコロナに対する飲み薬「モルヌピラビル」について書きました。入院や死亡を約30%減少させるとのことでしたが、今度はファイザー社が「パクスロピド」という飲み薬を開発。その効果を発表しました。
それによると、発症3日以内に内服した場合、重症化をなんと89%も防いだということです。
この薬は2種類の薬を合わせて飲みます。1つ目の薬は新規の抗ウイルス薬(開発番号 PF-07321332)で、これはコロナウイルスの複製・増殖に必要な酵素であるプロテアーゼの活性を阻害します。そのため、体内に侵入したウイルスは増殖できなくなります。様々な変異株に対しても増殖を抑える効果があります。
2つ目の薬は抗HIV薬のリトナビルで、これは抗ウイルス薬の血中濃度を高く維持する効果(リトナビル・ブースト)を持っています。抗HIV効果ではなく、このブースト(機能増強)効果のために使われ、プロテアーゼ阻害薬という種類の抗ウイルス薬と併用することで、阻害薬の血中濃度を高く維持することができます。新薬パクスロビドでも、このリトナビルが新規の抗ウイルス薬の血中濃度を高く維持する役目を果たしています。
パクスロビドの服用法は、新薬2錠、リトナビル1錠の計3錠を1日2回、5日間続けます。安全性を検証した臨床試験でも、大きな懸念となる副作用は報告されていません。昨年12月22日に米国で承認され、日本でも近く承認申請される見通しです。
日時:2022年01月14日 12:19