≪健康相談室≫新型コロナワクチン接種後の予防
新型コロナのワクチンを注射すれば、もうウイルスには感染しませんか?
ブレイクスルー感染も…変異株感染の危険は残ります
新型コロナのワクチンを既定回数(ファイザーとモデルナは2回)接種し、免疫効果が出るまでの2週間を経過した後で感染することを「ブレイクスルー感染」と呼びます。
「ブレイクスルー」という言葉は「大きな進歩、躍進、画期的な技術革新」といった意味で使われますが、直訳すると「突破」。ワクチンで守られているはずの人の免疫を突破する、という意味で使われているようです。
今年1~4月に行われた米国疾病対策センターの調査によると、ブレイクスルー感染の発生率は、ワクチンを注射した人の約0.01%、入院した人は0.0007%、死亡した人は0.0001%と、非常に低い確率でワクチンの有効性の高さに改めて驚かされます。
ただ、ブレイクスルー感染でウイルスのゲノム配列が検査できた症例のうち、64%は変異株で、変異株のほうがワクチンによる免疫を突破しやすいことが確認されています。
ワクチンには高い有効性がありますが、集団免疫が感染抑制に十分な水準に達しなければ、変異株によるブレイクスルー感染は起こり得ます。また、ワクチン接種が遅れている発展途上国でウイルスが猛威を振るうと、より危険な変異株が出てくる可能性が高まり、こうしたことを防ぐためには、早急に世界中の人々に接種を行うことが重要です。
つまり、集団免疫が確立されるまでは、ワクチン接種後も変異株に感染する危険や周囲に広げる可能性があるわけで、それまでは引き続きマスク着用、三密を避ける等の努力が必要です。
日時:2021年07月24日 13:05