≪健康相談室≫新型コロナウイルス検査の違いについて
新型コロナウイルスにはPCR検査、抗原検査、抗体検査の3つの検査法がありますが、違いはなんでしょうか?
それぞれ利点と欠点があります
PCRとは、ポリメラーゼ・ チェイン・リアクション(連鎖反応)の略で、ポリメラーゼというのは遺伝子を合成する酵素のことです。遺伝子研究には必須の技術で、これを発見したキャリー・マリスはノーベル賞を受賞しています。
検体に含まれるウイルスの遺伝子の量はごく微量で、そのままでは検出できません。そこで 検体を特殊な液体に入れて遺伝子を切り取り、連鎖反応を繰り返して増量させて判定します。 これによって少量のウイルスでも検出できるわけですが、検体を検査機関に搬送するため時間が掛かります。
これまでは鼻咽頭ぬぐい液を用いる方法が主流でしたが、厚労省は、発症から9日以内の者については唾液を用いたPCR検査を承認しました。
一方、抗原検査はウイルスを特徴づける蛋白質を調べるもので、鼻咽頭ぬぐい液を用いて30分ほどで結果が出ます。特殊な検査機器も不要で検体を搬送する必要もありませんが、一定量以上のウイルス数がないと検出できず、PCR検査より感度が低いという欠点もあります。しかし、重症者や救急搬送の患者を速やかに判定して医療につなげることが可能です。
また抗体検査は、採血後15分ほどで結果が出ます。新型コロ ナに感染すると抗体ができますが、 IgMは感染後約7日間以内で生成され、IgMは感染後1週間ごろから上昇して数年間持続します。抗体陽性であるということは、新型コロナに感染しても無症状で終わったか、以前の風邪症状が実は新型コロナだったということを意味しています。
日時:2020年06月18日 08:59