《健康相談室》インフルエンザウイルスの夏は?
インフルエンザは冬に流行しますが、夏の間、ウイルスはどこにいるのですか?
インフルエンザは地球規模の感染症です
答えはいくつか考えられます。まず、①北半球と南半球では季節が逆になるため、日本が夏の間は、冬である南半球で活動している ②シベリアやアラスカなど北極圏の近くの湖や沼の中にじっと潜んでいる ③本来の宿主である水鳥(渡り鳥)の中に共生して生存している ④少数ですが、夏の間も存在している、などです。
片方の半球で冬に流行したインフルエンザウイルスが、渡り鳥や飛行機、船などによって拡散され、半年後にもう片方の半球の冬に流行する可能性があります。
毎年、世界中から集まるインフルエンザ流行データに基づいて、世界保健機構がどのウイルス株が流行するかを予測し、推奨するワクチン株を発表します。それを基に、日本の国立感染症研究所とインフルエンザ専門家が協議して、日本のインフルエンザワクチン株が決定されます。
インフルエンザの起源を調べた結果、渡り鳥のガンやカモ類が繁殖する北極圏のツンドラ地帯に、通年、ウイルスが存在し、これを渡り鳥が各地にばらまき、豚やアヒルなどに感染、その中から人間に感染するウイルスが現れた、ということが遺伝子レベルで解明されています。
また、夏にインフルエンザに罹る人も稀にいます。夏はインフルエンザをあまり疑わず、検査をしないことも多いので、夏風邪だといわれたのが、じつはインフルエンザだったということもあり得ます。ただ、高温多湿のためウイルスは弱く、流行することはありません。
日時:2019年02月19日 09:38