《健康相談室》帯状疱疹の予防とワクチン接種について
姉が帯状疱疹になりました。痛みがなかなか消えず辛そうです。なにか予防法はあるのでしょうか?
50歳以上の人にワクチン接種が可能になりました
子供はよく水ぼうそうにかかりますが、治ってもウイルスが消滅したわけではありません。体の神経節に隠れて何十年も潜伏し続け、大人になってから過労やストレス、病気などで免疫力が低下したときに復活して活動を再開します。これが帯状疱疹です。
発症率は、50歳代から急激に高くなり、患者の約7割が50歳以上です。最初はチクチクと刺すような強い痛みが体の片側に起こります。体中どこにでも現れる可能性があり、初期には皮膚に症状が現れないため、診断は困難です。しかし、4〜5日して同じ部位に虫に刺されたような赤い発疹ができると診断は容易になります。
痛み方は、針を刺されたような、あるいは万力で締めつけられたような激しさで、夜も眠れないほどに耐えがたい激痛といわれます。治療が遅れると、高齢者ほどその痛みが残り、数カ月〜数年間苦しむこともあります。
成人の帯状疱疹ウイルスの抗体保有率は90%以上。ほとんどの人が発症の可能性を持っており、80歳までに3人に1人が経験すると推定されています。
予防策としては、子供の水ぼうそう予防に用いられるワクチンと同じものを、皮下に1回接種する方法があります。米国での研究で、水痘ワクチンを50歳以上の人に接種すれば帯状疱疹の発症を半分に、主観的に痛みを残す人を3分の1に減らすことができたというデータが示され、日本でも昨年から50歳以上の人への接種が承認されました。
ただし、免疫機能異常のある人や免疫抑制剤使用中の人は接種できないのでご注意ください。
日時:2017年08月29日 09:02