《健康相談室》心肺停止とAED操作
名古屋ウィメンズマラソンで3人のランナーが心肺停止になり、AEDで蘇生したというニュースがありました。いざというときのため、AEDについて教えてください。
心室細動を治す器械で、医学知識がなくても使えます
平成14年、高円宮親王がスカッシュの練習中に心室細動で倒れ、直ちに病院に搬送されましたが、夜半に容態が悪化。47歳の若さで亡くなりました。これがきっかけで心室細動への対応が厚労省や消防庁で取り上げられ、平成16年、心臓に電気ショックを与える自動体外式除細動器(AED)の使用が一般人に認められるようになりました。
平成21年の東京マラソンに参加した松村邦洋さんが15㎞地点で倒れ、近くにいた医師が心肺停止状態を確認。AEDを使って、辛うじて蘇生するということもありました。
消防庁によると、心停止で3分間、呼吸停止で10分間放置すると、死亡率が5割を超えるそうです。119番への電話から救急車の到着まで、平均で約8・6分かかるため、一刻を争う心停止の状態では、AEDがとても有効です。平成26年の時点で、AEDは全国の病院、駅、公民館、商業施設、大規模マンションなどに約63万台が設置されています。
操作方法は、①フタを開けると自動で電源ON。②電極パッドを胸に貼る。③自動で心電図解析を開始。電気ショックが必要な場合のみ充電し、必要でない場合は充電がキャンセルされます。④ボタンを押す。
以上で、とても簡単です。器械が音声ガイドで教えてくれるので、慌てずにその手順に従ってください。
倒れている人を発見したら、119番に通報、胸骨圧迫・人工呼吸を含む心肺蘇生を実施し、AEDを用いて電気ショックを行うことが救命につながります。
日時:2017年04月27日 11:50