《健康相談室》脳内出血とくも膜下出血
脳内出血とくも膜下出血の違いはなんですか? それぞれの原因や症状について教えてください。
くも膜下出血は、経験したことのないような激しい頭痛を伴います
脳血管の突然の変化で症状が急変する病気を脳卒中と言い、3大死因の1つとされています。
脳卒中には、①脳梗塞、②くも膜下 出血、③脳内出血、とがあり、脳梗塞は血管が詰まる病気、くも膜下出血と脳内出血は血管が切れる病気です。
脳卒中の原因には、高血圧、糖尿病、高脂血症、喫煙、不整脈などが挙げられます。脳の内部の血管が破れる脳内出血は、長年の高血圧で脳の深い部分へ栄養を送る血管の硬化が進み、しなやかさを失って血圧の変化に耐えられなくなった血管が、血圧が上昇した時に切れて出血します。
その結果、急激に運動麻痺や、感覚・バランスの異常などが発生し、出血が多いと意識低下が起こって生命危機となります。ただし、激しい頭痛は起こりません。
一方、くも膜下出血は、脳の表面を覆うくも膜の下に出血が起こります。ほとんどは、血管の膨らみである脳動脈瘤の破裂です。脳動脈瘤は成人の2〜5%に発見され、高血圧・喫煙・遺伝などが関連していますが、はっきりした理由は不明です。
こちらは出血した瞬間、「突然に今までに経験したことのないような、あるいはバットで殴られたような非常に激しい頭痛」を感じます。くも膜下に広がる出血が、痛みを感じる保護膜を刺激して頭痛が起こるのです。それと同時に激しい嘔吐や意識消失も伴います。手足の麻痺などは、必ず起こるとは限りません。
脳内出血や脳梗塞は頭痛をあまり感じませんが、それと対照的に激烈な頭痛が発症するのがくも膜下出血の特徴です。
日時:2016年09月26日 14:48