《健康相談室》かくれ脱水について
娘に「かくれ脱水ということもあるので意識して水分を摂るように」と言われました。高齢者は特に注意しなければいけないのだとか…。でも、かくれ脱水って何ですか?
症状が出ない状態の脱水に気をつけましょう
体重の約2%の水分が減少すると喉が渇き、約4%の水分が減少するとぼんやりとして、体温上昇、疲労困憊、食欲不振、尿量減少と尿濃縮、約5%の減少で頭痛、約8%減少で痙攣が起き、10%を超えると生命危機となります。
「かくれ脱水」とは、体の正常な状態と脱水症の間にある「脱水症前段階」のことをいいます。高齢者のの場合は、体の1〜2%の体液が失われている状態で、2%を超えると脱水症の危険性は一気に高まります。
人間の体液量は、大人で体重の約60%、高齢者では水分の貯蔵庫でもある筋肉量の減少等で、50%程度まで減少し予備量が減ってきます。
大人は一日に体の水分が1・5〜2・5ℓ程度失われ、それと同等の水分を飲食によって補給しています。ところが高齢者の場合は、もともと体の水分量が少ないうえ、飲食による摂取量も少なく、さらに喉の渇きを感じにくくなるため水分摂取が遅れがちです。ご本人が気づかないうちに体液が2%以上失われていることもあり、そうなると脱水症となり、重大な症状に進行しやすくなります。
近年は、温暖化で平均気温が上昇しています。1965年には東京の年平均気温は14・6度でしたが、2013年には17・1度まで上がっています。日本は多湿で汗が乾きにくく、体温を下げるシステムが作用しにくいので、気温が上がると、それだけ熱中症の危険度も上がります。
今日はあまり水を飲んでないけど、喉も乾いてないので大丈夫、と思うのが一番危険です。イオン入りの水分補給を早め早めに行いましょう。
日時:2016年06月21日 14:04