《健康相談室》花粉症の治療法について
また、ゆううつな花粉症の季節がやってきました。毎年薬を飲むのも面倒です。花粉症を完治させる方法はないものでしょうか?
花粉症は自然治癒しません。治療は早めに・・・。
花粉は、そのままではアレルギー反応を起こしません。鼻や目に入って水分を吸うと、数秒以内に外壁からタンパク質や糖タンパク質を放出し、数分後にはじけて内壁から諸酵素を含むタンパク質を放出します。
これらの物質が抗原として作用し、体内に特異抗体が製造されます。この製造記憶は一生残ります。そのため、花粉症が自然に治るということは考えにくいと思います。
花粉症の薬は、一般的に遅効性のものが多く、内服して効果が出るまでには時間がかかります。2〜4週間ほどかかる薬もあります。
関東地方の花粉の予想飛散時期は2月中旬あたりからなので、症状の重い方は1月中旬には治療を開始した方がよいと思います。以前の薬は眠くなる傾向がありましたが、現在は眠くなりにくい抗ヒスタミン薬が主流になっています。
根本的治療としては、舌下免疫療法といって、毎日花粉エキスを口に含んで、花粉に対する過剰反応を抑える新しい治療法があります。ただ、治療期間は3〜5年ほどかかるうえ、花粉飛散シーズンに投薬を始めることはできません。始めるなら、花粉症のオフシーズンの6月から12月中旬までとなります。
治療の前に血液検査を受け、スギ花粉抗体が陽性であることを確認する必要があります。また、この薬はどんな医師でも処方できるわけではありません。舌下免疫療法に関する充分な知識と経験を持ち、所定の受講を修了した医師だけが処方することができます。詳しくは各医療機関にご確認ください。
日時:2015年02月01日 15:57