《健康相談室》 神経障害性疼痛について
神経障害性疼痛のCMをテレビでみました。これはどんな痛みなのですか?痛みにもいろいろ種類があるのでしょうか。
痛みの原因を知り、正しい対処を
打撲や捻挫をすると、その部分に炎症が起こり、痛みを起こす物質が発生します。この物質が、末梢神経にある侵害受容器というところを刺激して痛みが発生します。
こうした痛みは「侵害受容性疼痛」と呼ばれ、例えば、打撲や骨折、捻挫、変形性関節症、腰痛症、肩こり、五十肩、腱鞘炎、関節リウマチによる痛みなどが含まれます。これらの痛みは炎症物質によるものですから、治療には消炎鎮痛剤が効果的です。
一方、何らかの原因で神経が障害されて起こる痛みを「神経障害性疼痛」と言います。腰椎椎間板ヘルニアや腰部脊柱管狭窄症による坐骨神経痛、頸椎症による四肢の痛み、脳卒中や脊髄損傷による痛み、糖尿病により神経が障害された痛み、帯状疱疹ウイルスにより神経が障害された痛み、事故やケガなどで神経が障害された痛み、などが含まれます。
これらの痛みは、チクチク、ビリビリ、ジンジンといった痛み、痺れを伴う痛み、電気が走るような痛み、強い針で刺したような痛み、痛い部分の感覚が鈍くなる、軽い刺激でも強い痛みを感じる、などの特徴があります。
こちらの痛みには消炎鎮痛剤はあまり効果がなく、神経障害性疼痛治療薬という薬が効果的です。
さらに、両方が合わさった混合性疼痛や、ほかに精神的なことからくる心因性疼痛というものもあって、痛みの種類を見分けることは大変難しいことです。
病院を受診する際は、どのように痛むのか、できるだけ詳しく伝えるようにしましょう。
日時:2014年08月27日 15:56