《健康相談室》 寝たきり予防について
最近、サルペコニアという言葉を聞きました。
放っておくと寝たきりになる可能性が高くなるのだとか。予防する方法はありますか?
「サルペコニア」とはギリシャ語で、「サルコ」は筋肉、「ペニア」は減少という意味。年齢とともに手足の筋肉が減少することを言います。
筋肉は50歳を過ぎると年に1~2%ずつ減少し、75歳では若い時の4分の3ぐらいになってしまいます。そのため転倒しやすく、また骨折も起こりやすくなります。こうしたことはこれまで、老いれば当然とされてきましたが、最近、運動や食事で予防できることが分かってきました。
診断には「指輪っかテスト」というのがあります。両手の親指と人差し指で作り、自分のふくらはぎの最も太い部分を囲みます。そこで、①囲めない、②ちょうど、③余る、の3つに分類し、両手で下腿の最も太い所を囲めなければサルペコニアではありません。ちょうど囲めたら、サルペコニアの1歩手前、両手の輪と下腿の間にスペースができる場合はサルペコニアと判断します。
筋肉増量のためには、強い負荷をかける運動が必要ですが、高齢者にとって高負荷運動を続けることは、運動器や循環器にストレスとなる危険も。低負荷の運動でも、回数を多くすれば効果は得られます。
大切なのは、自分の体力に合った負荷をかけながら、楽しく継続して行うことです。例えばデイサービスでの体操や、ご近所の体操教室を利用するのも良いと思います。また、筋肉のもとになる蛋白質を含む肉や魚を十分に摂ることも必要です。
ただし、過度の高脂血症の方や腎臓に障害がある方は、肉や卵、乳製品の摂り過ぎには要注意。その場合は、医師と相談なさってください。
日時:2014年07月31日 12:45