《健康相談室》骨粗鬆症について その2
64歳の女性です。先日の検診で骨密度が若い時の65%に落ちていて、骨粗鬆症と言われました。これ以上悪くならないようにするにはどうすればよいでしょうか?
骨粗鬆症はサイレント・ディジーズ(静かな病気)と言われ、深く静かに進行します。そのため、自覚症状が表れた時はすでに重症化している場合もあります。とくに女性は閉経後、定期的に骨密度を計測し、早期発見が重要な鍵となります。では骨粗鬆症と診断された場合はどうすればよいか?治療には内服薬と注射薬があり、最近は良い薬がたくさん開発されています。腸管からのカルシウム吸収増加剤としてビタミンD3とカルシウム。骨形成促進剤(骨を作る)としてPTH(テリパラチド)とビタミンK。骨吸収抑制剤(骨の分解を防ぐ)としてビスホスホネート、サーム、抗RANKLE抗体、カルシトニン、イプリフラボンなどです。この中で骨折を防ぐエビデンス(証拠)のある薬も分かってきており、推奨される順位も明確になりつつあります。また、すでに薬をたくさん内服していてそれ以上増やしたくない方や、胃や食道が悪くて薬の内服が困難な方は、注射で治す方法もあります。こちらも非常に効果の高いものが使用できるようになりました。骨の代謝はゆっくりなので、骨密度が短期間に劇的に改善することはありませんが、エビデンスのある薬で根気よく治療すれば、骨を強くすることは可能です。一方、放置すれば骨量は確実に減っていきます。骨折で寝たきりにならないよう、早期発見・早期治療を心掛けましょう。
そろそろ
今年も突然の豪雨が続き、都内では花火大会が2会場も中止になっていますね。明日から8月になりますが、紫陽花の刈込みはお済ですか?来年の花付きを良くする為に2節下のふっくらした芽の上で刈り込みますが、遅く刈り込むと花芽がつかなくなるそうです。クリニックの紫陽花は7月初旬に花後の刈込みを済ませました。画像は今年6月下旬の鎌倉長谷寺、紫陽花散策路の写真です。昨年は少し花付きが悪かったように思えたのですが、今年は沢山の花をつけて綺麗に咲いていました。相変わらずの暑い日が続いていますので、こまめに塩分と水分のバランス良い摂取を心がけて熱中症対策なさって下さい。
『涼』への一工夫
先週までのいきなりの猛暑日から今週に入って少し過ごしやすい気温にはなりましたが、熱中症にかかる方の人数は増える一方のようですね。
帽子や日傘等をうまく利用しながら日陰を選んで直射日光は避けてすごしましょう。
そして喉の渇きを感じる前にこまめに水分と塩分を補給しましょう。
睡眠を充分に取って体調管理に気をつけましょう。
おかしいな・・・と思ったら病院に受診しましょう。様子を見るのは危険です!
お部屋のカーテンに霧吹きで水を吹き付けたり、濡れタオルを何枚かお部屋に吊るしておく事で気化熱の原理から涼しく過ごせると言った工夫もあります。
エアコンは冷房運転で28度設定である程度部屋の中を冷やしたあとはドライ運転に切り替えると良いそうです。節電に!と冷えたら切り室温が上がると入れるを繰り返しするよりもこの方が節電になっているそうです。扇風機は床に向けて回す事で床に溜った冷気を循環させるのに良いそうです。これから本格的な夏日が続くと思われますので、皆さんお出かけの時だけではなく、ご自宅で過ごされる時にも十分にお気をつけ下さい。 今回の画像は、ほうき草とこぼれ種で発芽していた日々草、3年前の苗から毎年採取している種で今年も開花し始めた変わり朝顔のお銀です。日々草は何色が咲くのか小さな蕾を持ち始めたので楽しみにしています。ほうき草は何とも言えない涼しい緑で毎日癒されています。クリニックにお越しの際は診察室待合の手前の給茶器に冷たい麦茶や玄米茶をご用意していますのでどうぞお召し上がり下さい。
雷について
近頃、雷が発生していますね。
夏も本番に近づきつつあります。それに伴って、雷もよく発生しますね。子供の頃、へそを出して寝ていると雷様にへそを取られるなんて親からよく言われたものです。そんな、夏の風物詩「雷」ですが、「雷」の危険から身を守るにはどうすればいいのでしょうか。街中で、遭遇したら建物の中に移動するのがいいようです(壁や柱からは少し離れて)。野原や河原など、周囲に建物がない場所では、低い場所を探してしゃがみこむなど出来るだけ姿勢を低くして様子を見るのがいいようです。おへそを隠すのもお忘れなく。
《健康相談室》 骨粗鬆症について
52歳の主婦。先日、骨密度を測ったところ、標準より低めと言われて不安に。骨粗鬆症について教えて下さい。また骨粗鬆症はなぜ女性に多いのでしょうか?
骨というのは、動きがなくじっとしているように思われがちですが、じつは常に骨芽細胞(骨を作る細胞)によって骨が作られ、破骨細胞(骨を壊す細胞)によって骨が吸収されるという、非常にゆっくりとした代謝が行なわれています。
こうして骨の形成と吸収がバランスよく行なわれることによって、通常は一定の骨量が保たれています。
この骨芽細胞と破骨細胞の働きに大きく関与しているのが女性ホルモン(エストロジェン)で、これによって骨の代謝の調節が行なわれています。
ところが、女性は50歳前後に閉経を迎えると、それ以降は急激にエストロジェンが減少します。すると骨芽細胞の働きが衰え、破骨細胞の働きのほうが上回ってしまいます。
つまり、新しくできる骨の量より、壊れていく骨の量のほうが多くなり、その結果として骨粗鬆症を発症しやすくなるのです。
女性である以上、骨粗鬆症になることは避けられない部分もありますが、ここで重要なポイントは、20~30歳代で骨の量をいかに増やしておくかということです。
ダイエットのための極端な食事制限などは、もってのほか。若い時からカルシウムやビタミンDを充分に摂取し、適度な運動をして骨量を上げておくことで、将来骨粗鬆症になるリスクを減らすことができます。
一方、男性に骨粗鬆症が少ないのは、閉経のように急激な性ホルモンの減少が少ないためと考えられています。
では次回は骨粗鬆症の治療についてお話しましょう。