<健康相談室>延命治療について
85歳の実母は現在、買い物や調理も自分でするほど元気です。
ただ、病気になったら延命治療はしないでと言われています。
どこからが延命治療なのか、その判断基準を教えてください。
これは、とても重要な質問です。
「延命治療を望みますか?」と質問されれば、おそらく世の中の大多数の人は「希望しない」と答えるのではないでしょうか。
しかし、医療の現場では、本来の治療と一般社会でいわれている「延命治療」との明確な線引きはありません。そもそも、一般に行われている「治療」自体が、病的な状態から離脱させて「延命させる」行為にほかならないからです。
また、医学の進歩によって様々な病気に対する治療法や新薬が開発され、以前だといわゆる「延命治療」しかないとされていた病気でも、快復の希望が持てるようになったものも少なくありません。
その一方、どんな病気に対する治療も確実に治せるとは限りませんので、その可能性をどう評価するかは、最終的に患者さん自身の判断に任されています。その結果、同じ病状、同じ治療であっても、ある人にとっては救命のための「治療」となり、また別のある人にとっては「延命治療」となりうるわけです。
ですから、「延命治療」に対して特別なお考えがあるのでしたら、どの状態(病気の種類や進展の度合い)を「延命」と捉えるのか、
お元気なうちに一度、ご家族みなさんで話し合ってみてはいかがでしょうか。
日時:2013年03月04日 14:33