[健康相談室]診療報酬改定について
高血圧とアトピー性皮膚炎の治療で、同じ病院の内科と皮膚科を定期的に受診していますが、4月から支払額が増えました。窓口で「制度が変わったため」と言われましたが、どういうことなのでしょうか?
診療報酬改定は2年ごとに行われます年度制を使用する日本では、4月は入学や就職といった区切りとなる事柄が多いですね。医療の世界も例外でなく、4月を境にいろいろな仕組みが変化します。中でも特に重要なのは、2年ごとに行われる「診療報酬改定」です。これは、医療機関が行う保険医療の範囲や報酬を決める、いってみれば「法律」の改定で、今年はこの診療報酬改定が実施される年。窓口で言われた「制度が変わった」というのはこのことです。
ご質問の方の場合、これまでは同じ日に複数の科を受診しても、再診料は1日当たり1つの科でしか請求されませんでしたが、今回の「診療報酬改定」によって、それぞれの科で請求されるようになったことから生じたものと考えられます。今回の改定では他にも、国が押し進める後発品薬剤(ジェネリック医薬品)への移行を促すため、これま
で処方箋に薬剤の製品名での記載が義務付けられていましたが、この4月から、調剤薬局で移行しやすいように物質名での記載が推奨されるようになりました。こうした制度の変更は、本来なら政府が正確に告知すべきことだと思いますが、十分に行われていないため、患者さんが戸惑われることも多く残念に思います。疑問を感じたときは、どうぞ遠慮なく質問なさってください。
日時:2012年05月01日 14:28