[健康相談室]心室細動と心房細動の違いについて
先日、従兄弟が「急性心筋梗塞後の心室細動」という病名で突然に亡くなりました。じつは、私も以前から「心房細動」と指摘されており、とても不安です。大丈夫でしょうか?
心室細動と心房細動の違いについて
亡くなられた従兄弟さんはほんとうにお気の毒でしたね。「心室細動」と「心房細動」は、どちらにも「細動」という言葉がついており似ていますが、病気の重要度は全く異なります。「心室細動」というのは、心臓の中で主なポンプ機能を担っている「心室」で発生する「けいれん」のことをいいます。これは重篤な狭心症発作や急性心筋梗塞などによって生じることが多く、この場合は、直ちに救命措置を行わないと心停止(人間の死)に直結します。一方、相談者の方が指摘されている「心房細動」は、心臓の中で補助
ポンプ機能を担っている「心房」で発生する「けいれん」をいいます。これは、心臓についている逆流防止弁の不調(いわゆる心臓弁膜症)によって生じることが多く、これによ
って心停止となることはありません。ただ、血液のよどみによって生じる血栓(血の固まり)で、脳梗塞が生じやすくなります。質問者の方の場合は「心房細動」との診断ですから、ひとまず安心していただいてよいでしょう。ちなみに、弁膜症の有無や年齢によって、血栓予防についての治療法が学会で定められています。一度、担当の先生に相談なさってみるとよいでしょう。
日時:2012年03月01日 09:05