《健康相談室》 骨粗鬆症について
52歳の主婦。先日、骨密度を測ったところ、標準より低めと言われて不安に。骨粗鬆症について教えて下さい。また骨粗鬆症はなぜ女性に多いのでしょうか?
骨というのは、動きがなくじっとしているように思われがちですが、じつは常に骨芽細胞(骨を作る細胞)によって骨が作られ、破骨細胞(骨を壊す細胞)によって骨が吸収されるという、非常にゆっくりとした代謝が行なわれています。
こうして骨の形成と吸収がバランスよく行なわれることによって、通常は一定の骨量が保たれています。
この骨芽細胞と破骨細胞の働きに大きく関与しているのが女性ホルモン(エストロジェン)で、これによって骨の代謝の調節が行なわれています。
ところが、女性は50歳前後に閉経を迎えると、それ以降は急激にエストロジェンが減少します。すると骨芽細胞の働きが衰え、破骨細胞の働きのほうが上回ってしまいます。
つまり、新しくできる骨の量より、壊れていく骨の量のほうが多くなり、その結果として骨粗鬆症を発症しやすくなるのです。
女性である以上、骨粗鬆症になることは避けられない部分もありますが、ここで重要なポイントは、20~30歳代で骨の量をいかに増やしておくかということです。
ダイエットのための極端な食事制限などは、もってのほか。若い時からカルシウムやビタミンDを充分に摂取し、適度な運動をして骨量を上げておくことで、将来骨粗鬆症になるリスクを減らすことができます。
一方、男性に骨粗鬆症が少ないのは、閉経のように急激な性ホルモンの減少が少ないためと考えられています。
では次回は骨粗鬆症の治療についてお話しましょう。
日時:2013年07月01日 11:05