≪健康相談室≫RSウイルスについて-けやきトータルクリニック
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≪健康相談室≫RSウイルスについて
2024/8/20
さだまさしさんが出演しているテレビCMのRSウイルスってどんなウイルスですか?
60歳以上を対象に日本初のワクチンが製造販売承認
RSウイルスとは「レスピラトリー・シンサイシャル・ウイルス」の頭文字で、直訳すると「呼吸器合胞体ウイルス」。細胞膜を融合させ、多核の大きな構造物(合胞体)を形成することからこの名前が付いています。
ほぼ全ての子供が、2歳までにRSウイルスに感染します。ところが、一度感染しても免疫が十分に得られないため、生涯にわたって何度も感染と発症を繰り返します。
感染経路は飛沫感染と接触感染で、感染者数は初夏から増えはじめ、夏から秋にかけてピークを迎えます。
感染すると、4~5日間の潜伏期間のあと、鼻水や咳など上気道の症状や発熱などが出現しますが、多くの人はそのまま数日間で回復します。
しかし、喘息、慢性閉塞性肺疾患、心疾患、糖尿病、慢性腎臓病などの基礎疾患がある人や、免疫機能が低下している人、高齢者などは、肺炎などを起こして重症化するケースもあります。
日本では60歳以上の人で、毎年6万人が入院し、4500人の院内死亡があると推定されています。乳児に対しては発症を抑える薬がありますが、成人はこのウイルスに対する特定の治療法がなく、対症療法が行われています。
こうしたことから昨年9月、60歳以上を対象に、RSウイルスワクチンの製造販売が日本で初めて承認されました。1回の接種で有効期間は約2~3年。臨床試験では全般的に高い効果が認められています。
ただ、保険適応外のため費用は2万7000円~3万円前後かかります。まずは、石鹸と水でこまめに手を洗う、マスクをするなど、予防に努めましょう。
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