けやきトータルクリニックの≪健康相談室≫麻疹の流行についてについての記事です

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    ≪健康相談室≫麻疹の流行について

    2024/5/17

    この春、麻疹(はしか)が流行していましたが、その後どうなりましたか?

    国内はほぼ終息、海外では流行しています

     今年に入って麻疹患者が国内で相次いで確認されました。世界的な流行により、日本でも3月末の時点で、海外渡航者を中心に少なくとも20人が麻疹と診断されています。
     麻疹ウイルスは感染力が非常に強く、免疫を持っていない人が感染すると、ほぼ100%発症します。しかも、感染者1人が平均12~18人にうつす力を持っていて、これはインフルエンザの10倍の感染力です。空気中の粒子を吸うだけで感染し、普通のマスクでは予防困難です。
     感染すると、発熱や咳、鼻水など風邪のような症状が現れ、その後、高熱と発疹が出ます。合併症は肺炎や脳炎で、死亡率は0.1%程度。特効薬はなく、対策は2回のワクチン接種です。
     1回も接種していない可能性が高い年代は、1974年(昭和47)9月以前に生まれた人ですが、ほとんど人は自然感染による抗体を持っています。2021年度(令和3)の感受性調査によれば、53歳以上の人の中で、麻疹抗体陽性と判断される抗体保有率は96.6%でした。
     ただ、現在行われている定期接種は1歳と小学校入学前の小児ですが、接種率は低下傾向です。とくに2回目の接種率が低く2022年(令和4)は過去10年で最低の92.4%。流行を防ぐための目標95%以上を下回っています。
     昨年末、ワクチンの保管上トラブルで在庫が逼迫していたところへ春の患者発生のニュースがあり、需要が急増しました。厚労省は、小児の定期接種を確実に進めるため、小児科に優先してワクチンを供給することを要請しました。そのため当院では現在、ワクチンがなかなか手に入らない状況です。

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