「水は飲みたくない」祖母が倒れた日 〜見えにくい“隠れ脱水”と家族ができる対策〜-けやきトータルクリニック
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「水は飲みたくない」祖母が倒れた日 〜見えにくい“隠れ脱水”と家族ができる対策〜
2025/7/15
「暑くないから大丈夫」──そう言っていた祖母が…
埼玉県在住の伊藤さん(仮名・40歳)は、80代の祖母と二世帯で暮らしています。
ある夏の午後、祖母が突然立ちくらみを起こしてソファに崩れ込みました。意識はあるけれど顔色は悪く、足元もふらついています。すぐに救急相談センターへ連絡すると、
「脱水症状の可能性があります。すぐに水分をとらせて、様子を見てください」と指示がありました。自覚のないまま進行する「隠れ脱水」
後から医師に言われたのは、
「本人は暑さやのどの渇きを感じにくくなっている可能性が高い」ということでした。実は高齢者は、
暑さへの感覚が鈍くなる
のどの渇きを感じにくい
体内の水分保持力が低下している
といった特徴があり、**自覚のないまま脱水が進む=“隠れ脱水”**になりやすいのです。
祖母も「暑くないし、トイレが近くなるから水は飲みたくない」と話していたそうです。
実際に起きていた“脱水のサイン”
今思えば、前日からこんな様子が見られていたと伊藤さんは振り返ります👇口の中が乾いていて、しゃべりづらそうだった
尿の色が濃く、量が少なかった
食欲が落ちていた
元気がなく、ウトウトしている時間が増えていた
どれも日常の中では見逃してしまいがちなサイン。
でも、こうした“小さな異変”こそが脱水の予兆です。家族としてできる予防の工夫
その後、伊藤さんは生活の中で次のような対策を取り入れました👇✅ 1時間に1回、声かけしてお茶を勧める
「少しだけでも飲もうか?」と促すことで、本人も水分摂取の意識が向くように。✅ 麦茶・経口補水液・スープなど「飲みやすいもの」を常備
冷たい水を嫌がる方には、常温の麦茶や具だくさん味噌汁がおすすめ。✅ 水分摂取を“行動のセット”にする
トイレのあと、薬のあと、テレビを見終わったあとなど、決まったタイミングで飲む習慣をつけたそうです。まとめ:「大丈夫」と言っていても、安心しないで
高齢の家族が「水はいらない」と言ったときこそ、隠れ脱水を疑うサインです。
特に夏場や発熱時、長時間寝ているときなどは注意が必要です。「飲んでって言うのも悪いかな…」と遠慮せず、
💬 やさしく声をかけて
🚰 飲みやすいものを用意して
📅 習慣化できる工夫を取り入れるそれだけで、大切な家族の健康を守ることができます。
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