漢方家庭医
私宮川は、この度日本臨床漢方医会の「漢方家庭医」認定をいただきました。日常の診察の中に漢方治療を取り入れ、患者様の健康を維持することを目的とした資格でございます。
そもそも私と漢方の出会いは数年前にさかのぼります。呼吸器内科専門医である私は、咳や痰のある患者様を多く診察してきた自負?がありました。しかしある日、咳止めのお薬や吸入薬を何度も出していた、咳に苦しまれていた患者様が業をにやして漢方薬局に行かれある漢方薬を飲まれて1日で治ってしまったのです。ショックを受けました。仮にも40年近く呼吸器内科医として研鑽していたつもりだったのに。。。以後、漢方の学びを始めたというわけです。それからいろいろなことを学びました。確かに漢方は万能ではなく重篤な疾患に効くとは言えない点も多々あります。しかし血液検査などでは検知しえない症状(体のだるさ、冷え、めまい、頭痛、便秘等々)に驚くべき効果が出ることがあるのです。ある方はたったの1回飲まれただけでなおったといわれたことがありました。こう書きますと夢のようなお話に聞こえますが、このように目立った効果を出すためには患者様の状態(証といいます)を漢方による診察にて的確にとらえることが大事なのです。反対にいえば、的確に証をとらえることができれば上に書いたような夢のような効果がでるかもしれないわけです。その漢方診察には、舌の裏側や両手の脈、お腹をじっくり診るなど西洋内科とはすこし異なる診察があり少し驚かれるかもしれませんが、上記のような理由なのです。
今回「漢方家庭医」という新たな資格をいただき、患者様から「よくなったよ」というお言葉をたくさんお聞きしたいと思っております。
令和4年11月29日
けやきトータルクリニック 内科 宮川 秀文
≪健康相談室≫コロナ感染第8波について
この冬、新型コロナ感染者数の第8波は、本当にやってくるのでしょうか?
来るという予測ですが、重症化率は下がる見込みです
感染者数が増加傾向にあり、専門家の中ではこれから第8波が来るという意見が多いようです。
その理由として、冬はウイルスが活発化しやすいことが挙げられます。コロナウイルスは、寒くて乾燥している環境を好みます。また、冬は寒いので換気することが少なくなり、感染の危険がたかまります。
第7波はオミクロン株BA2とBA5の感染でした。第8波は予測不能ですが、1つは、今のBA5がそのまま流行すると考えられます。この場合、波は小さいと想定されています。
もう1つは、新しいオミクロン株の変異株で、米国などで流行しているケルベロスと呼ばれるBQ1.1やシンガポールなどで流行しているグリフォンと呼ばれるXBBによる感染です。BQ1.1は、BA5より免疫をすり抜ける力が強く、感染が広がりやすい可能性が指摘されています。
国立感染症研究所は、不確実性が高いとしながらも、BQ1.1系統の割合が12月第1週には79%になると推計しています。新たな変異株に置き換わるタイミングで感染爆発が起こるのは、これまで何度も経験済みです。
しかし、オミクロン系の変異株であれば、毒性は第7波のときより下がっている可能性が高く、重要なのはオミクロン株が流行してから感染者の致死率・重症化率が下がっていることです。かつ弱毒化していくのが一般的な流れなのです。
私たちがとるべき対策はこれまでと大きく変わりません。有効なのはオミクロン株対応のワクチンを接種しておくことです。