≪健康相談室≫ピリン系製剤について
ピリン系は合わないからダメと小さい頃から親に言われています。ピリン系薬剤とは何ですか?アスピリンもピリン系ですか?
アスピリンは商標名でピリン系ではありません
ピリン系薬剤とは、ピラゾロン系解熱鎮痛剤のことで、イソプロピルアンチピリン、スルピリン、アミノピリンがあります。 病院で処方される薬品名はスルピリン、メチロン、SG顆粒、 クリアミンなどです。
効果が高く、以前は風邪薬に繁用されましたが、副作用で過敏症、発疹、アレルギーなどが多くみられたため、徐々に使われなくなりました。またアミノピリンは消化管で発癌物質を生成するため、欧米でも日本でも医薬品への使用が禁止されました。
現在、市販薬に使用されているのはイソプロピルアンチピリンのみです。イソプロピルアンチピリンは、いくつかの国では製造販売が禁止されていますが、 日本では第2類医薬品として市販の風邪薬に使用されています。
ところで、柳の樹皮から分離されるサリチル酸に鎮痛作用があることは古くから知られていました。胃腸障害の副作用が強いため、当初はあまり使われませんでしたが、その後アセチル化されて副作用の少ないアセチルサリチル酸に合成され、頻用されるようになりました。これを、ドイツのバイエル社がアスピリンの商標名で登録 (1899年)して、発売を開始しました。ですから、アスピリンはアセチルサリチル酸製剤であり、ピリン系薬剤ではありません。
アスピリンは解熱鎮痛作用だけでなく、血小板の凝集に関係するトロンボキサンの作用も抑制するため、抗血小板作用も認められています。主に白色血栓を作らないようにすることから、血液をサラサラにする抗血栓薬としても頻用されています。
日時:2019年11月19日 09:37