≪健康相談室≫ゲノムについて
「ゲノム解析」とか「ゲノム編集」という言葉 をよく耳にします。ゲノムってなんですか?
ドイツ語で「遺伝情報全体」を意味します
ドイツ語で遺伝子を「ゲーン」、 染色体を「クロモゾーム」と言います。この2つを合成したのが「ゲノム」で、「遺伝情報」という意味です。
100年前にドイツの植物学者が命名し、 60 年前にDNAが発見されてからは、染色体を構成するDNAの全塩基配列という意味を持つようになりました。
「ゲノム解析」とは、遺伝情報を総合的に解析することで、DNAの塩基配列を解明することから始まります。30 億ある塩基対の配列は、今ではコンピュータで自動的に判明できるようになりました。
しかし、全塩基配列が分かったというだけで、その意味や機能が全て解明されたわけではありません。
今後、あらゆる観点から解析する必要がありますが、画期的
な新薬の開発や、患者一人一人 に合わせたオーダーメイドの治 療など、様々な可能性が期待されています。
また「ゲノム編集」とは、D NA塩基配列を切断する酵素、 人工ヌクレアーゼを用い、配列 を目的の位置で切断、分離して、遺伝子の削除、置換、挿入を行なう(編集する)ことです。
平成 24 年に発表された新技術 によって、短時間に低コストで正確な位置での切断作業が可能となり、急速に発展しました。今では難病の治療や予防法の開発、農作物や家畜等の品種改良に幅広く用いられています。
ヒトの病気モデルとして作成したマウスの遺伝子変異をゲノム編集することで治癒にも成功していますが、安全性、管理方法、法規制など、まだ数多くの課題が残されています。
日時:2019年09月17日 14:53