《健康相談室》インフルエンザに2度罹る
昨年の秋から今年にかけて、同じA型のインフルエンザに2回も罹ってしまいました。こんなことがあるのでしょうか?
インフルエンザにはA型とB型それぞれ2系統あります
1個のインフルエンザウイルスに感染すると、8時間後には100個、1日で100万個に増殖します。とくにA型は、増殖が速いため変異のスピードも速いのが特徴です。
そのため、変異したウイルスに免疫が対応できず、同じ型のウイルスに短期間に感染してしまうこともあります。
また、インフルエンザにはA型とB型があり、A型はさらにソ連型と香港型に、B型は山形系とビクトリア系に分かれます。つまり、合計4系統のウイルスがあるのです。
外来で実施される迅速簡易検査では、A型とB型の区別はできますが、Aソ連型とA香港型の区別まではできません。B型も同様で、山形系とビクトリア系の区別はできません。
従って、Aソ連型の後でA香港型に罹ったり、B型山形系の後にB型ビクトリア系に罹ったりすることもあり得ますが、迅速簡易検査ではA型、あるいはB型としか判別できないわけです。
A型の流行は11月下旬ごろから、B型は3月中旬ごろからが多いため、シーズンの最初にA型に罹り、シーズンの終わりごろB型に罹る、ということはよくあることです。最悪の場合、1シーズンにA型2系統、B型2系統の4回罹ることも理論的には考えられます。
予防の対策としては、シーズンの初めに4価ワクチンを接種して、1シーズン中、全ての型に抗体を獲得しておくことです。WHOでは、2013年からB型2系統を含んだ4価ワクチンを推奨しており、日本でも2015年に製剤基準が改正され、4価ワクチンが用いられるようになりました。
日時:2017年10月20日 14:02