健康相談室《高血圧と夏場の塩分について》
高血圧のため塩分を制限しています。でも汗をかく 夏は、多少塩分を増やしたほうがよいでしょうか
日本人の塩分摂取量は、まだまだ多すぎます
人間にとって欠かせない塩は、 昔から政治的、経済的にも重視されてきました。世界各地に塩街道がつくられ、塩の専売権で国を治めた歴史もあります。ちなみに、サラリーマンの「サラリー」は、古代ローマ時代、傭兵に与えられた塩を表すラテン語「サラ リウム」が語源となっています。
さて、高血圧の人が塩分を制限しなければいけないのは、塩分と血圧には密接な関係があるからです。その仕組みを簡単に 説明しましょう。
塩分を摂り過ぎると血液中の ナトリウム濃度が高くなる↓脳 が感知し、喉が渇いて水分が欲しくなる↓水分を摂ると、血管に流れる血液量が増え、血圧が 上がる↓さらに、過剰な塩分を 排出するため腎臓で大量の血液濾過が行われ、血圧の高い状態 が続く。そこで、高血圧の人は
もちろん、予防のためにも減塩が重要となるわけです。
本来、塩分の1日の必要量は1〜2g です。欧米では1日の塩分摂取量の目標として、一般の人=6g未満、高血圧の人=4g未満を勧めています。しかし、日本では、高血圧の人=6g 未満、一般の人=7〜8g以下となっています。
日本人の塩分摂取量は減少傾向にあるとはいえ、まだ平均10g以上。高血圧の人も大部分は目標を達成できていません。
夏は発汗等で熱中症の危険性 が高まるため、水分は充分に摂る必要があります。確かに発汗により塩分も失われますが、日本人の平均摂取量を考えると、高血圧の人は大量に汗をかいた場合を除き、夏でも塩分の過剰摂取には注意したほうがよいと言われています。
日時:2017年06月19日 10:49