《健康相談室》冬季の肌ケアについて
寒くなると皮膚がやたらに痒くなります。
なにかよい対策はありませんか?
石鹸で強く体を洗い過ぎないことが大切です。
寒くなると体は、表面の血管を収縮させ、体温が奪われるのを防ごうとします。その結果、肌の血流が低下し、肌の潤いのもととなる皮脂と汗の分泌が減少します。
皮膚は、皮脂膜、天然保湿因子、セラミドなどの脂質、この3つの物質がバリアを作って守っています。しかし、加齢と共にこれらの物質は減少し、高齢者はとくに乾燥する冬には肌も乾燥し、バリア機能が壊れて、髪の毛や衣服が触れる程度の接触でも大きな刺激となって痒みが生じ易くなるのです。
痒い所を掻くと心地良さを感じますが、肌に傷がつき、炎症を起こすと敏感になって、痒みをより強く感じるようになります。さらに、掻くことで痒みの元となるヒスタミンを誘発し、痒みはより強くなります。こんなときは、痒みを抑える成分を含んだ外用薬が有効です。尿素や抗ヒスタミン、セラミド、ビタミンEなどを含んだ製品が市販されています。
また、入浴時も要注意です。ボディソープは弱酸性でセラミドなどを配合した保湿効果のあるものを選び、泡立てた石けんを手で大きな螺旋を描くようにして優しく体を洗いましょう。ナイロンタオル等で強くこすると角質層が傷み、保湿成分はさらに失われます。
皮脂が少なく、汚れが少ないお腹周りや腰、手足などは、毎日石けんを使って洗う必要はありません。石けんは2〜3日に1回ほどにし、シャワーで軽くすすぐ程度に。入浴後はクリームなどで保湿もお忘れなく。
日時:2016年11月17日 15:19