《健康相談室》痛風とその予防
昨年の夏、ゴルフをしていて痛風発作を起こし、 救急車で運ばれました。二度と経験したくないのですが、予防法を教えてください。
問題は、発作が治まると治療を止めてしまうこと
痛風は、尿酸が体の中に溜まり、 結晶となって激しい関節炎を起こす 病気です。
尿酸は、体内の新陳代謝によって 産生される物質で、基準値は7 mg/ dl 以下。尿酸の原料となるのがプリン体という物質で、プリン体を多く含む食品を摂り過ぎたり、急激な運動でエネルギーが消費されることに よって血中濃度が上昇します。
プリン体は、肝臓で分解されて尿酸となり、腎臓から排出されます。 尿酸は「作り過ぎる」ことで増加するだけでなく、「排出がうまくいか ない」ことによっても増加します。
ご相談者のように、夏にゴルフをした翌朝、病院に担ぎ込まれる人が多くいます。それは、ゴルフには尿酸値を上昇させる原因が数多く揃っ ているからです。
①昼食時、プリン体が多く含まれるビールをたくさん飲む。
②パワーをつけようとプリン体の多い焼肉やステーキを多量に食べる。
③汗をたくさんかいて脱水状態になり、相対的に高尿酸血症となる。その結果、尿酸値が上昇して発作を招いてしまうのです。ただ、良い薬が開発されているので、正しい投薬を続ければ、全く問題なく健康な 生活を送れます。
問題は、「のど元過ぎれば熱さを忘れ」、医師から説明を受けても、 発作が治まると治療を止めてしまう人があまりにも多いことです。
痛風は糖尿病と同じで、怖いのはそれ自体よりむしろ合併症のほうです。中でも最も怖いのが腎障害です。 悪化させると、透析療法になることも ありますので注意が必要です。
日時:2016年07月21日 08:43