《健康相談室》喉頭ガンについて
つんく♂さんが喉頭がんの手術をして声を失ったことを発表しました。忌野清志郎さんも喉頭がんだったとか。喉頭がんの症状や予防法について教えてください。
喉頭がん予防は、まず禁煙です!
喉頭とはのど仏のことで、食道と気道が分離する所に気道の安全装置として発生した器官です。役目のひとつは、飲食物が肺に入らないようにする誤嚥防止。もうひとつは発声で、喉頭の中には声帯があります。
喉頭がんは男性に多いがんで、男女比は10対1。危険因子はタバコと酒で、これらの継続的な刺激が発が
んに関与します。喉頭がん患者の喫煙率は96・5%というデータがあり、非喫煙者はわずか3・5%にすぎま
せん。60歳以上で発症しやすいのも、高齢になるほど喫煙期間が長くなり、発症する確率が高くなるからです。
喫煙により発がん物質を含むタールが声帯やその周囲に付着します。1日の喫煙本数に喫煙年数を掛けた数値を「ブリンクマン指数」といい、600を超えると要注意、1000を超えると危険信号です。
嗄声(声がれ)が1カ月以上続いていたり、痰に血が混ざる、喉の異物感や飲み込み時に痛みがあるといった症状がある場合は、一度耳鼻科を受診したほうが良いでしょう。
診察は、まず喉頭鏡で観察し、さらに細いファイバースコープを鼻から挿入して詳しく確認します。
喉頭がんの治療は放射線と手術です。早期がんであれば、部分切除術で声帯を一部残すので、質は悪くなりますが声を残すことができます。進行している場合は喉頭全摘術で声は失われ、食道発声や電気喉頭など代用発声で補うことになります。
予防するには、まず禁煙です。禁煙の薬もありますので、禁煙外来でご相談ください。
日時:2016年02月18日 11:45