《健康相談室》 熱中症について
夏本番を前に、サッカー部で練習に励む息子が熱中症にならないかと心配です。水分を取る以外によい予防法があれば教えてください。予防薬などはあるのでしょうか。
暑熱順化で発汗機能、体温調節機能の改善を!
熱中症は、真夏だけでなく梅雨の合間の気温が急上昇した日や、梅雨明けの蒸し暑い日など、身体が暑さに慣れていない時に起こりやすくなります。また、炎天下だけでなく、屋内でも発症することを忘れないでください。とくに高齢者や、糖尿病・心臓病などの持病のある人、下痢、発熱、二日酔い、寝不足などで体調不良の人は要注意です。
予防には、水の補給だけでなく、汗によって失われる水分と塩分の補給をこまめに行うことが重要です。塩分と糖分を飲みやすく配分したスポーツドリンクなどがよいでしょう。暑い日は、喉が渇いたと感じる前から、早めの水分補給を心がけてください。室内で窓を開けても涼しくならない時は、我慢せずエアコンを使うことも必要です。
また、夏本番に備えて暑さに体を慣らしておく「暑熱順化」もよい方法です。うまく順化できれば、血液量が増え、汗の量も増えて、発汗機能・体温調節機能が改善されます。やり方は、それほど暑くない日や時間帯を選び、ウォーキングや軽いジョギングなど少し汗ばむくらいの運動を30分ほど続けたり、体力のない人は半身浴などで汗をかくだけでも効果があります。
夏の暑さに慣れるには、高齢者で2~3週間かかります。今から始めて、猛暑の時期に備えましょう。
予防の薬としては、夏バテや食欲不振に対して、ビタミンB群、漢方の補中益気湯、清暑益気湯、五苓散、紫苓湯などが有効です。医療機関で相談してみてください。
日時:2014年07月01日 11:51