《健康相談室》花粉症について その②
花粉症の治療は症状や重症度によって違うのですか?
また最近、口に含むだけの画期的な治療方法が開発されたと聞きましたが、それについても教えて下さい。
昨年、4年ぶりに鼻アレルギー診療ガイドラインが改訂されました。
それによると、まず症状を「くしゃみ・鼻漏(鼻水)型」と「鼻閉(鼻づまり)型」に分け、それぞれの重症度によって治療法を検討するというものです。
軽症の場合は、どちらの症状でも第二世代抗ヒスタミン薬を使用し、必要に応じて鼻噴霧用ステロイド薬を使います。
中等症の場合は、「くしゃみ・鼻水型」では第二世代抗ヒスタミン薬と、必要に応じて鼻噴霧用ステロイド薬を使い、「鼻づまり型」では抗ロイコトリエン薬を使用し、必要に応じて鼻噴霧用ステロイド薬・第二世代抗ヒスタミン薬を使います。
重症の場合は、「くしゃみ・鼻水型」では鼻噴霧用ステロイド薬と第二世代抗ヒスタミン薬を併用し、「鼻づまり型」では鼻噴霧用ステロイド薬と抗ロイコトリエン薬・第二世代抗ヒスタミン薬を併用し、必要に応じて点鼻用血管収縮薬も使います。
さらに重症の鼻づまり型の場合には、手術で鼻の粘膜を焼いたり切り取ったりすることもあります。
一方、花粉などの原因物質をごく少量注射または口に含んで体を慣らさせる免疫療法(減感作療法)もあります。注射は週1回の通院が薬2~3年は必要になりますし、舌下療法は毎日口に含む治療を2~3年続ける必要があります。舌下療法の保険適用は今年6月からなので、今年のスギ花粉症には間に合いませんが、家でできるので注射に比べると通院日数はかなり少なくなり、今後注目されていくでしょう。
日時:2014年03月01日 10:25