《健康相談室》変形性関節症について
68歳になる母は、階段の上り下りなどの際、膝に激痛があるようです。先日受診したところ変形性関節症と言われて痛み止めをもらって帰りました。この病気について詳しく教えてください。またどんな治療法がありますか?
中高年とくに50歳以上の女性に多くみられます。
変形性関節症とは膝関節の表面を覆ってクッションの働きをしている軟骨が、長年の使用ですり減り、すり減った軟骨のかけらが関節の内側にある滑膜と反応して炎症を起こし、痛みを生じる状態。つまり「膝の関節炎」が起きているわけです。
これは中高年、とくに女性に多く、50歳過ぎると患者数が増えていきます。なりやすいのは、下肢の筋力が低下している人や肥満の人、下肢を酷使する仕事や運動をやりすぎている人などです。
初期症状としては、朝起きて歩き始めたときに感じる膝の違和感です。また膝に力がかかる動作で痛みが出ることもありますが、長く続かず、たいてい少し休むと痛みは消えます。
中期になると、痛みが明確になります。膝が完全に曲がらない、伸びないといった状態が進み、正座やしゃがむなどの動作が苦痛になって、相談者のお母様のように階段の上り下りも辛くなります。炎症のため膝の周辺が腫れたり熱感を伴ったりして、膝に水(関節液)がたまってはっているような重くてだるい感じも出てきます。
さらに末期状態になると、骨の変形がかなり進み、外見的にも関節の変形が目立つようになります。膝に力のかかる動きをすると、コリコリ、ガリガリといった斬轢音が出るような感じもあります。こうなると、日常生活にも支障が出るほど痛みが強くなり、仕事をする、買い物に行く、旅行に出かけるといった社会活動も思うようにできなくなります。
それでは、次回は治療法についてお話しましょう。
日時:2013年09月02日 09:42