放射線被ばくの量について
報道でよく聞くマイクロシーベルト毎時(μSv/h)という単位はエネルギーの総量と思ってください。当然、量が多くなれば悪い影響が出る可能性は高くなるのですが、日常生活の中でも、例えば太陽光でも微量な被ばくはあり、自然界で浴びる量とほとんど変わらない量なら、人体に影響が出る可能性は全くと言っていいほどありません。
では我々は平常時どの程度放射線と関わって生活しているのでしょうか。
日本では、地域差もありますが、日常生活でも1年間当たり1000マイクロシーベルト前後(1時間当たりに直すと0.1マイクロシーベルト毎時)、レントゲンでの被ばくは胸部撮影1回で、約50マイクロシーベルト前後となっています。
日本人が自然に生活して一生に被ばくする量(人生80年と計算しても80,000マイクロシーベルト)に比較すると、レントゲン検査の被ばく量は微々たる物なので、レントゲン検査を受けて今すぐ体調不良になる可能性は、まず無いと言えます。
レントゲンで用いられる放射線は、簡単に言うと高電圧の電子から成り立っていて、機械のスイッチを押さない限りは自然に放出することはありませんし、法律に基づいた施設基準をクリアしていれば、室外に漏れ出るような強力な透過力はありませんので、検査に来ている方以外が被ばくすることはまずありません。
現在関東の自然放射線量が一時的に上昇している、などの報道もされていますが、世界の自然放射線量が高い地域から比較するとまだまだ低い方で(年間3,000マイクロシーベルトを超える地域もあります。世界全体の平均では年間2,400マイクロシーベルトといわれています)、現状の報道を聞く限り体内に放射性物質を取り込まないように気をつけて生活をしていれば、総被ばく量はほとんど人体に影響の無いレベルだと言えるでしょう。