リハビリと介護
今回はリハビリと介護についてお話します。
病気の治療が終了した後にも、高齢者や精神・身体の障害を持つ人々が生活を営むには食事や、排泄、入浴、着替え、家事、緊急時の連絡、買い物、役所の手続きなどに介助が必要です。要介護状態とは、身体上又は精神上の障害があるために、入浴、排泄、食事などの日常生活における基本的な動作が一部あるいは全部について継続的に常時介護を要する状態と定義されています。
そのような要介護状態の方には、訪問リハビリのサービスがあり、ご自宅でのリハビリが可能となります。当クリニックにおける訪問リハビリでも需要が大変多く、介護サービスを必要とする方々が多くいらっしゃるということを日々実感しております。周りの方で、介護にお困りの方がいらっしゃいましたら、どのような些細なことでも結構ですので、当クリニックまでご相談ください。
訪問リハビリテーション
当院では、4月より訪問リハビリテーションを開始致しました。
当院での訪問リハビリテーションは、理学療法士または作業療法士がご自宅に訪問させていただき、専門的なリハビリテーションを実施します。いろいろな理由で外来での通院が困難な方や、自宅でのリハビリテーションをご希望の方など対象になる方は様々です。訪問リハビリテーションをご希望の方で、介護保険証をお持ちの方はご担当のケアマネージャーさんにご相談いただき、介護保険証をお持ちでない方は、当院に直接お電話でお問い合わせください。
【健康相談室】 「同居している義母のもの忘れがひどくなって・・・」
「認知症の始まりではないかと心配なのですが?」
ご高齢の方と同居されているご家族にとって、これはとても切実な問題ですね。一般的に認知症は、中核症状と呼ばれる重度の記憶障害(家族の名前を忘れる、食事したことを忘れるなど)と、周辺症状と呼ばれるうつ症状(やる気がなくなる)といった2つの症状を認めることが多いのですが、軽度の記憶障害(少し前に話した内容を忘れる、数字が記憶できず、連続した計算ができないなど)が先行して見受けられることも少なくありません。ただ身近なご家族が、いわゆる通常の「もの忘れ」か「認知症」かを判断するのは非常に難しく、またこうしたことを話題にすること自体、ご本人の自尊心を傷つけ、時には家庭不和の原因ともなりかねません。しかし、認知症の中には脳内出血や脳梗塞といった外科治療や、薬で対処すれば改善するものもあります。最近ではアルツハイマー型認知症の進行予防や症状改善に働く薬剤も多数認可されていますから、まず本当に病的なもの忘れかどうか、医療機関に相談し、適切に対処することが重要です。ご本人を連れてくるのが難しい場合は、まずご家族の方だけで医療機関にご相談されるのも一つの方法です